転勤族妻の「孤独と苦労」本質は、強制リセットとゼロからのスタート

所属先が「家庭」しかない状況でのゼロリセット。それが転勤族の妻の孤独や苦労の本質ではないか、と思います。

環境の変化は人生で数えきれないほど「あるもの」。でも、ここまできれいにゼロリセットされることって(望まない限り)なかなかないのでは?人間関係、仕事、趣味。さまざまな部分で数年おきに「強制終了」されてしまう――それが、転勤族の妻が孤独を感じやすい所以である、と。

夫の転勤によって強制的に変えられる、妻の環境

強制的に環境が変わるのは、妻だけじゃない。確かに、夫も子供も同じかもしれません。

実際に私自身、これまで転校、進学、就職、異動など環境の変化は何度もありました。ただ、それらの変化はどれも、自分の所属先があり、「やるべきこと」がある状態でのスタート。そこに順応する中ではやはり人と関わる機会があり、学校や会社で過ごす時間のなかで、日常に馴染んでいくことが常でした。

所属先があり、ベースの人間関係があること――そのありがたさを知ったのが、転勤族の夫と結婚し、初めて転勤に帯同したときのこと。誰一人知り合いはおらず、家にいたら周辺のことは何も分からず、家事育児以外にすることがあるわけではなく、誰かが声をかけてくれることもない。

そんな状況の中で、とりあえず日常の基盤を作らないと!外に出ないと!っていうか誰かとしゃべりたい(泣)という「生みの苦しみ(っていうほど大層なものではないですが…ね。)」がありました。

知らない土地で、自分自身の基盤は何ひとつない。おまけに自分は、夫や子供をフォローする側。そんな心もとないスタートが、転勤族の妻が孤独に陥りやすい理由なのだと思います。

「強制終了」が定期的に訪れることの苦労

そして、もうひとつ転勤族妻が苦労する理由に「強制終了とゼロスタートが、定期的に訪れること」があります。その土地で築いた人間関係、環境、仕事。一度ならまだしも、それらが「リセット」されるのは数年おき。

仕事をしたい。でも、すぐにやめなくてはならないかもしれない。

始めてみたい趣味がある。でも、次の場所で続けられるかは分からない…

「転勤族と分かっていて結婚したのだから」「夫も大変だから」それは、ごもっとも。でも、人間関係にせよ環境づくりにせよ、定期的に失うと分かっていて築くことが、どれだけ精神力を必要とするか。これは、経験しないとなかなか分からないことかもしれません。

鍵は、孤独やゼロリセットへの対処法を身につけるということ

孤独に陥りやすく、苦労も多い転勤族の妻。ただ私自身は、妻として10年弱過ごす中で、孤独や転勤族ならではの苦労への対処法は少しだけ分かるようになりました。

自分なりの「孤独のトリセツ」を知る

私の場合の孤独への対処法は、引っ越し当初は友人や仲良しの親族にしっかり甘えること(LINEやテレビ電話を気軽にできるだけで全然違う)。最初は探検期間として色んなお店でランチやお茶をしながら街を知っていくこと。そんな日々にかかる時間や費用は、必要なものとして割り切ること。知り合いが欲しいときは習い事や子供のコミュニティで、どこかに所属先を作ること。

私の友人である転勤族妻たちも引っ越しを重ねるごとにたくましくなっていき、自然とその人なりの「孤独のトリセツ」を得ていくようです。「転勤したらまずPTAか役員やって知り合いつくる!」っていう、たくましい友人もいました。

そんな風に、誰しも転勤を重ねると孤独対策(?)についても少しずつ上達していくように思います。自分なりの「孤独のトリセツ」や街になじむための方法論を持つことは、きっと転勤を怖くなくしてくれます。

インターネットを味方につける

また、現代にはインターネットがあるので、上手に活用することがゼロリセットを回避するコツのひとつかもしれません。

たとえばTwitterやFacebookなど「インターネットのつながり」は、転勤しても「変わらない」人間関係なんですよね。ネットのつながりは時に軽く見られがちですが、全国どこでも、開けばそこに「いつもの人」がいる。孤独を感じるときには、他愛無いやりとりにも癒されるものです。ネットの人間関係に抵抗のない方にはぜひおすすめしたいところ。

また、服も靴も日用品も、ある程度ネットショッピングを利用すると良いかもしれません。「どこに行ってもある程度は、お気に入りのお店を引き継げる」これも快適のコツかと思います。そんな風に、ゼロリセットを回避する、地域を問わず「積み上げられる」ものをコツコツ増やすことが、転勤族妻が快適に生きるために有効な工夫かと思います。

全国に「薄く積み上げる」という実感を持つ

それから人間関係にしても土地勘にしても、完全にゼロリセットかといえばそうでもないんですよね。知り合った友達と、次の次の赴任先で再会することもあったり、一度住んだ周辺地域の土地勘はできるので、10年近く経つと日本中に「土地勘のある場所」がナチュラルに増えます。

定期的にゼロリセットというよりは、日本全国ひろーいエリアで、薄く積み上げていっているイメージでしょうか。最初の数年間だと薄すぎてわかりませんが(笑)10年くらい経つと、「あ、日本全国に友達いるかも」みたいな感じになってきますよ。

まとめとして――孤独は「ハマって当然」。必要なだけ、時間をかけよう

自分自身の話をすれば、私は自分が「孤独に強い」と思っていました。それでも、引っ越し先で泣いた日があり、孤独に呆然とした日もあります。でも、振り返ってみると、それは「当たり前のことなんだ」と思うのです。

無理に楽しんだり、明るく振舞う必要もない。受け入れて、必要なだけ時間をかける。ときには、転勤制度に毒づいてもいい。理不尽だと怒ってもいい。そんな風に「付き合い方」を覚えることが大切だと感じます。

転勤族として過ごしていると、少しずつ全国にリアルの知り合いや愛着のある場所が増えてきます。赴任地は「運」の要素が強いですが、年を重ねるごとに知り合いが増え、スムーズに動けるエリアが増えてきます。それだけ、楽しめる幅も増えていくかもしれません。

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