「社宅」ってどう?妻同士の疲れる付き合いやマウンティングは実際あるのか問題

全国転勤の企業には、全国に社宅を持っている企業もあります。「社宅」というと、「家賃が安い」「転勤先でも安心」というメリットがある一方で、「付き合いが大変そう」「奥様どうしの格付けってあるの?」など、妻の立場からするとそこはかとなく不安になる印象が…。

はたして、妻同士のマウンティング合戦は実際あるのか?家賃ってどれくらい安いのか?その他メリットやデメリットは?実際に社宅妻として暮らしている裕美さん(仮名)にお話を聞かせてもらいました。

社宅って普通のマンションとどう違う?大変なところは?

――まずは転勤歴と、どんな家族構成で、どんな社宅にお住まいなのかを教えてください。

全国転勤で、新婚のときに都内から茨城に引っ越しました。茨城では社宅がなく借り上げマンションでしたが、その後大阪勤務になって社宅に引っ越すことになりました。大阪に住んで、現在で4年です。

出産は大阪でしました。2歳の娘がいます。今後も転勤がある予定で、帯同するつもりでいます。

――社宅って、普通のマンションとどう違うんでしょう?

その社宅によりけりだと思いますが、私のところはそれほど…。月に一回の「清掃行事」があることと、定期的に当番が回ってくるくらいですかね。

当番は、回覧板を回したり、何か社宅内で問題があったときや共同スペースで破損があったときなどに管理会社へ連絡する役割です。月に一戸ずつ回ってくる感じで、そこは不可避です。

あとは、主人たちの会社が一緒なので、通常のマンション暮らしよりずっと距離は近いと思います。主人が仲の良いご家庭と家族ぐるみで食事をする機会もこれまでありましたし、逆に、妻同士が仲良くなって家族も交えてお付き合いをしたり。主人はおしゃべりなほうなので、「あそこの旦那さんはどんな人で、奥さんはどんなタイプか」みたいな話はひととおり分かったり…。

あと、それぞれの夫を情報源に噂が回ることなんかもありますね。特に新婚さんが新しく入ってきたら、「奥様がどれくらいの歳で、どんな人で」「どんな出会い方をしたか」なんてみんな興味津々。…っていうと、ちょっと社宅って怖いかも?って思われるかもしれないですが(笑)

気になる「社宅ならではのお付き合い」

――社宅のおつきあいって、やはり大変ですか?距離が近い分トラブルの可能性もそれだけ増えますし、仮に何かあったとしても、ご主人の立場も考えるとあまり強い態度は取れないですよね。

お付き合いとは言っても、清掃行事以外に交流会などがあるわけでもないですし、参加必須のお茶会なんかも特にありません(笑)人によると思いますが、実際に住んでみて感じたのは、社宅に入る人って「うまくやれる奥さんが多いんだろうな」って。ふわっとした印象ですが…。

ひとつの社宅しか知らないのでなんとも言えないのですが、私が住んでいるのは20戸くらいの規模の社宅で、奥さんはわりと小ぎれいでそつのない方が多い感じがします。基本的には外ではさらっと感じ良いイメージで、親切だけど立ち入りすぎないというか。みんなそれなりに気になることはあっても「社宅だから我慢していて言わない」という感じで。なので、距離が近いわりには大きなトラブルに発展することはあまりない印象です。

――うまく立ち回れる奥様が多いのですね?

たとえばですけど、これまで住む中では「ベランダでタバコは吸わない」「10時より前に子供同士で誘いにいかない」みたいな決め事が作られるシーンがありました。まあ、誰かからの苦情が発端なのだと思います。

こういう小さなことって言ってみれば当人同士でこうしようねってさらっと言うとか、社宅の当番さんに頼んで掲示出してもらうとか、色んな方法があるわけです。でも、全部管理会社を通じて決まりましたね。そして、奥様間でその話が出たときも、誰が発端かは深く追求しないというか。そういう、「角を立てない」「真実は知らないほうが時に平和」みたいな雰囲気がふわっと…。

――ああ、誰が言ったのか分かるとわだかまり残りますものね。

何年も住んでいると、時々ずばっと言う奥様が登場することもあります。そんなときも、特に誰も注意はしないし、ふわっと空気感で包み込むというか…それを繰り返して、合わない方は出ていくこともありますし、数年間とどまって次の転勤時には社宅徹底拒否!みたいなケースも。ああ、嫌だったんだなぁ…ってこちらもふわっと受け止める。

――世間ではそれを同調圧力と呼ぶ、みたいな?(笑)

同調圧力、それですまさに(笑)社宅にはあると思いますね。とにかくモメることは避ける。

でも、転勤族の社宅って移り変わりが激しいので、その年その年の「空気」があるんですよ。全体が仲良し~距離が近い~みたいなときもあれば、個々が立ってるなぁみたいな時期もあって流動的です。強いグループが登場してちょっとヘンな空気になった年もありましたが。

――ヘンな空気って、どんな?

はっきり言ってしまえば、幼稚園くらいのお子さんをお持ちのママさんたちが強固なグループになってた時期があって。社宅の駐車場でバーベキューはするし、でも全体に声をかけるわけではなかったので、年の近い子供がいる家庭はちょっと気まずくなったり…。あと、どこでも子供が遊んでいるような状況の中で、知らないうちに車にキズがついていたり。でもなんかいつも群れてて怖いから言えないなぁみたいな。

ただ、とにかく人の入れ替わりが激しいので、人が入れ替わっていく中でそのグループも小さくなって、いつのまにか平穏に戻った感じです。特に若い世代が増えてくると、奥様も仕事してたりするので、あまり社宅が全てではない空気になるというか。なので、流れがある分、あまり淀みすぎない気もしますね。

――ドラマの観すぎかもしれませんが、社宅のボスとか、部長の奥様には失礼のないように、みたいな世界観ってあるんですか?

うーん、ないこともないですけど、あんまり…。一応、主人の上司の方が誰かは知っているので、きちんと振舞ったり挨拶をしようという意識はあります。でも、基本的には誰にでもきちんとしとくというか。それこそ主人の後輩の方や、その奥さんに対してでも、特に態度を変えたりはしないです。それをする人の方が、なんかイヤじゃないですか?(笑)実際、そんなわかりやすくおべっか使う方は見たことがないですね。

社宅で良かったところは、転勤時のサポートと家賃

――なるほど。では、社宅で良かったっていう点はどんなところですか?

まず、料金が安い点。我が家は家族3人で3LDK に住んでいますが、家賃は4万円程度です。社宅以外で借りることもできるのですが、その場合に補助が出る金額って決まっているので、社宅のほうがずっとお得です。立地もいいですし。

あとは、人間関係が良ければすっごく楽しい!私は関西に縁もゆかりもなく、正直言って関西の文化に馴染めるかどうかも不安でしたが、社宅は同じ転勤族の集まりで、出身地もバラバラ。みんな転勤を経験している分、助けてくれる方も多くて、本当に助かりました。

基本的にみんな一人で育児してるので…。例えば風邪をひいたときや、困ったとき、誰かが積極的に助けてくれます。ある意味共同体みたいな…現代ではなかなかない、いいところだと思います。私はそういう社宅の文化はとても好きですね。

それから、ある程度生活レベルが近くて、ヘンな人がいない、みんな素性が分かっている分きちんと振舞う、共用部もきちんと使う、という点は、気は遣うけれど社宅のいいところだと思います。

――確かに、知り合いができなくて辛いっていうことは少なそうですね。

人なつこくて、寂しがりやな方なら、社宅のメリットはとても大きいと思います。合わなかったりすると辛いですけどね。そこは自分のタイプと相談って感じじゃないでしょうか。実際、「住んでみて、合わなくて、引っ越した」っていうご家庭もありますし。知っているファミリーは、社宅が合わなくて、「妹家族が関西に引っ越すことになったから、近くに住むことにした」って言って社宅から引っ越しました。そもそも妹なんていないって知っていたのは我が家だけ(笑)

最後にアドバイス

――転勤族妻と社宅事情についてよく分かりました。最後に、これから社宅に住む人にアドバイスを。

転勤族にとって、その地域に馴染めるかどうかはすごく大事なところなので、地域に馴染むという意味では社宅はおすすめです。みんな転勤族なので、ほどよく馴染みながらも地域色の強すぎない場所で住むことができるっていうのは大きなメリットかと。

あとは、自分のスタイルを持っている方は社宅生活を平穏に過ごせると思います。どっぷり付き合うのか、ほどほどに合わせるのか、付き合わないのか。いつも感じがいいけれど誰とも一切つるまない、みたいな方もいましたよ。

人間関係は時の運です。基本的には愛想よく礼儀正しくしていれば、危害を加えられることはないです(笑)あまり期待しすぎず、「危害がなければオッケー」くらいの期待値で行けば、社宅ってそう悪くないというか、むしろいい場所だと思います!運が良ければ、一生の友達にも出会いやすい場所かと思います。

――ありがとうございました。

 

(インタビュー日:2017年8月13日)

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