【インタビュー】パート求人ライターが語る、転勤族の妻・主婦の再就職

「転勤族妻は仕事をしづらい」正社員や契約社員ならそれは真実かもしれませんが、それはパート求人にも当てはまるのでしょうか?「パート・アルバイト求人」をメインに執筆するライター、山川雪乃さんにインタビューさせてもらいました。

企業担当者の声や、主婦でも働きやすい仕事を見分ける方法も併せて紹介します!

転勤族妻って、採用のマイナスになりますか?

――まずは現在のお仕事についてお聞かせください!

山川:パート・アルバイト情報を企業様にヒアリングして求人情報に落とし込む仕事をしています。想定している人物像(フリーターなのか、主婦なのか、どんなスキルのある方か)を聞きながら、求める条件や勤務環境を調整して、求人情報としてまとめるところまでが仕事です。

――日常的に、企業の採用担当者と話していらっしゃる、と。

山川:それはもう、日々お話ししています。

――ではいきなり気になる疑問からいきますが、「転勤族の妻である」ことって、主婦の再就職活動でマイナスになりますか?

山川:あんまり関係ないと思います。企業さんに「転勤族の方でも大丈夫ですか?」なんて聞いたことはないので、ハッキリわからないですけどね。「既婚女性である」という大きなくくりの中の、ごく小さな要素のように思います。ちなみに既婚女性であるかどうかはわりと考慮されます。

パート求人を出す企業さんのほとんどは「長く続けてくれる方」を求めているのは確かです。採用にも教育にもコストがかかりますから。でも実際、「長く続ける」にはたくさんの要素があって、特に既婚女性だと勤務条件が合うかどうかが結構大事ですかね…お休みの取り方や求める時間が合致するかどうか、とか。

女性で既婚という時点で、正直言って不確定要素は多いじゃないですか。これから妊娠・出産するかもしれないですし、親の介護、子供の状況とかいろいろ…「夫の転勤」というのもそのひとつにすぎないというか、あまりそこにフォーカスして考える企業さんはない気がします。

――そうなのですね。私も求人情報を書いていたことがあるので思うのですが、確かに「転勤の可能性」までの突っ込んだ話をパート面接のときにするイメージはないですね。正社員ならまだしも。

山川:ただ、短い期間に転勤を繰り返す方は、必然的に職歴が増えますよね?履歴書や職務経歴書に。たとえば「一年ごとに仕事を変わっている」…という状況だと、ちょっとマイナスの印象ができてしまう可能性はありますね。

――履歴書を見て、「いろいろお仕事されてるんですね」「はい、夫の転勤が多いので」みたいな話になると、マイナスな印象を持たれそう、ということですか。

山川:そのとおりです。「夫の転勤」って仕方のないことなんですけどね。「辞めてしまう可能性」がハッキリわかる状態だと、採用をためらう要素にはなるかもしれません。といっても、一年ごとに引っ越す方はそう多くはないでしょうし、基本的にパートやアルバイトの場合、転勤の有無はそこまで考えない…という感じだと思います。

実家サポートのない主婦でも働きやすい会社って?

――転勤族仲間で話していると、やはり実家のサポートとか、頼れる人がいないっていうのは大きいよね、という話によくなるんです。一般的には、数年間同じ土地で子育てしていたら知り合いも増えますし、病児保育とか、ファミサポとか、色んなサポート体制や乗り切り方に慣れていくじゃないですか。

でも、数年ごとに場所を変わっていると、慣れたころに転勤になってもう一度環境を築きなおすことになるんですね。それが億劫でなかなか働きに行く気がおきない…っていう話もよく聞きます。

山川:確かに、転勤族であるかどうかは考慮されないとしても、転勤族であることによる環境(サポート体制がないとか)は、クリアしないといけないことですよね。うーん大変ですよね…。ただ、サポートがなく実家が遠い主婦でも活躍されている方は割といるので…それは、主婦ならではの事情を許容してくれる企業で働けるかどうかが大きそうですよね…

――最近は女性活躍とか言われますが、許容してくれる会社って実際に多いんですか?

山川:わりとハッキリ分かれる気がします。子供の体調不良は仕方ないし、みんなママさんだからフォローしあいましょう、っていう会社もありますし、基本的には仕事を優先させてください(病児保育とかサポートの人頼んでっていう本音)という場合も…。

ただ、明確に主婦をターゲットにしている求人の場合は、許容される範囲が広いと思います。

――ちなみに、許容してくれるところ、してくれないところを見分ける方法ってありますか?

山川:主婦歓迎!を打ち出しているところや、「お子さんの行事などはお休みがとれます!」みたいな情報を「わざわざ」打ち出しているところは、基本的に融通はききやすいと思います。主婦で、ママであれば、子供の予定があること、時には体調不良で休むことはだいたい、担当者も織り込み済みですね。

――「主婦歓迎」って求人だと、自分たちも対象だ、ってわかりやすいですもんね。

山川:そうですね。条件面を細かく見ることも大事ですが、まずはざっくり「これってどの層を採用したい求人かな、フリーターかな、学生バイトかな、主婦かな?」って目線で見てみると意外といいと思います。

あと条件面を見るなら、たとえば家族の休みに合わせたいなら、土日そもそも稼働していない企業や、工場、コールセンターとかをチェックするとか。工場なんかだと夏季休暇や年末年始にしっかり休暇があるところもありますね。一般事務でも、従業員5人の企業で事務員一人だとすごく休みにくいですが、事務スタッフが5人いて主婦が3人、とかだとすごく働きやすいと思います。

そのあたりは、どんなチームで、どんな体制で仕事をするのかまで聞いてみるといいと思います。パートでも、何社も受けて決めたっていいんですよ。もう少し「自分たちは選ぶ側だ」って意識を持ってもいいんじゃないか、と私は思っています。実際、採用環境って今それくらいですから…。

主婦も、もっと望みを持って仕事探しをしたらいい

――では最後に、主婦の再就職について思うことをフリーコメントでください!

山川:これは求人情報を書いていて思うことですが、企業の採用担当者が人手を確保しようとする望みはとても強い。それくらい、今は採用が難しい時代です。それに比べて、主婦友達と話していると「子供が小さいから働くのはちょっと」とか「預けられる先がなくてなかなか」「雇ってもらえないよね…」なんて話している友人が多いんです。でも、多少の条件は許容する企業って実はいっぱいある。もちろん許容しない企業もありますが。

私がよく思うのは、主婦って日々、商品を買うときはしっかりレビューを見て、必要なら詳しい人に質問して、コスパも比較検討して購入しますよね。でも、仕事選びでしっかり比較検討している人って少ない印象なんです。本来は何社だって条件を聞くために電話してもいいですし、条件が合わなければ断ってもいい。

そうやって相手との温度感を見ながら調整していくと、意外と希望が通ることもありますし、逆に自分の条件を考えなおさないといけないと気づくこともあるかもしれません。やっぱり、お互い納得して働くのが幸せな形ですから。

――ありがとうございました。

まとめとして――納得感のある仕事に出会うには「比較検討」

山川さんのお話で印象的だったのは「全般的に主婦の再就職は、比較検討が足りない気がする」という言葉。確かに、私自身を含め、仕事選びに関しては企業の担当者に「納得するまで質問して、本当にいい場所を選ぶ」という意識が低いように思います。

「採用前に要望を言いすぎて面倒と思われないかな」なんて、つい思ってしまうことではないでしょうか?ただ、転勤族の妻という視点で見ると、実家のサポートがないこと、何かあった場合に助けてくれる人(例えば、古くからの友人)が地域に少ないことなど、考えておかないといけない事柄も多いもの。なるべく比較検討して納得のいく就職をすることが、その後の働き心地に直結するように感じます。

最後に注釈ですが、山川さんは首都圏在住のパート・アルバイト求人ライターです。地方の場合は、そもそも仕事の種類じたいがかなり絞られるかもしれません…ということを、転勤族のみなさん向けには申し添えておきたいと思います(実はこれも転勤族妻には根深い問題…ですよね)。

 

(インタビュー日:2017年11月11日)

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